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第一級陸上無線技術士 T.H.様の現場よりのレポート

Vol.7  第一級陸上無線技術士 T.H.様の現場よりのレポート

 

私は電子回路の設計を専門とする無線技術者です。列車制御や航空監視機器から製造装置や無線試験装置などさまざまな電子機器の設計と試作に携わっています。そういった装置の試作や動作テストには、 −ドライバのようなローテクな工具からスペクトルアナライザのような測定器まで多くのツールを使います。

 

いわゆるプロフェッショナルの世界では基本的には数多くの専用工具を使い分けることになるのが普通だと思いますが、試作後の試験のような本格的で綿密な作業や調整・検査ではなくても実運用上のちょっとしたことや、ワークベンチから遠く離れた測定現場での思いがけない事態にあったときには、基本的な道具だけでもあればと思うことが多く、レザーマンのマルチツールに出会うまでは、ナイフ、ドライバ、ピンセット、ニッパー、ラジオペンチ、ダイヤモンド砥石と個別に用意していました。

 

これは別の話ですが、冬の北海道のフィールドでの人工衛星の測定で可搬型地球局のパラボラアンテナの仮設ステーが吹雪に凍って位置ずれしたときに、凍ったステーを切るのにレザーマンのナイフが活躍したのですが、そんなこともあって、その上位モデルを物色しているときにスクォートE4を知りました。

スクォートシリーズはP4とS4は知っていたのですが、私の分野には多少ミスマッチだろうと気に留めていませんでした。ですが、このE4は本当に心に描いていたような小型のマルチツールで、ある種、巡り合えた気持ちになりました。

 

E4の小型の+ドライバは、コネクタやシャシーに良く使うM2.6、M3、ユニファイネジにベストマッチで、装置の筐体を開けたり、ケーブルの着脱に重宝していますし、シールドケースなんかに良く使うM2にもどうにか入るし、トルクの問題がなければM4にも使えます。

 

小型のマイナスドライバは、装置内の設定スイッチを変更したりするのによく使っていますが、場合によってはトリムポットの微調整などにも使います。

 

 

小型ナイフは、この手のマルチツールには珍しく、片刃であることが大変嬉しいものです。私は用途に合わせて和式刃物のように入念に研いでいますが、高周波同軸ケーブルの内部絶縁体やセミリジッドケーブルの銅の外部導体を精密にカットすることが出来て幸せです。

カッターナイフや普通の両刃のナイフでは精密にはなかなかカットすることが出来ません。超高周波の世界ではカットの正確さが性能に直結することになるので、正確にカットできるということが場合によっては最も重要になるのです。

プライヤ・ワイヤストリッパ・ワイヤカッタは小型にもかかわらず、バネ付きのおかげで実用ツールになっています。

ワイヤカッタは同軸の内部導体やアース線など銅の単線や、実はナイフなどでは切りにくい、ケーブル類の結束などに使うタイラップを切るのによく使っています。

プライヤノーズ部は電子部品によくあるφ0.5〜1.2のリード線の整形などに便利です。主な材質の銅や軟鉄などの柔らかいものには、△△型のぎざぎざが少しシャープ過ぎでしたので私は少し研いで台形にして使っています。

出先やフィールドでの電源やアースの一時的な接続にはワイヤストリッパが活躍します。専用工具ほど精密だったり切れ味鋭いというわけではないものの、この小型で軽量で折り畳んでポケットに入れられる安全性は捨てがたいものがあります。

 

これ以上は贅沢かもしれませんが、そもそも Squirt E4 は "Squirt RadioShack" という別名があるみたいですので欲を言えば、この分野だとプラスチックや銅やアルミなどまで切るので、少しくらい値段が高くてもナイフの鋼材は刃持ちの良いS30V等で、ヤスリもピンセットや各種ツール先の研磨用に、単目の代わりに#1000の電着ダイヤモンドヤスリであればなと思います。

更にわがままを言えば電子分野では栓抜きよりスパナを使うことの方が多いので、そこが高周波のSMAコネクタ用に5/16インチのスパナになっていたたらもう、私のような電子・無線技術者的には完璧です。プレミアム版でもいいから電子・無線技術者向けに Squirt ER4 って感じで出してくれないものかしら。

 

あまりの便利さに、とうとうキーホルダにくっつけてエブリデイキャリにしてしまいましたが、それにしてもスクォートE4は活躍する機会が多く、お世話になっている技術分野の方々に便利さのお裾分けにとレザーマンツールジャパンにお願いし、私の会社の12周年記念を兼ねてE4にレーザーでロゴを入れてプレゼントしてしまいました。 E4のみならず趣味のバイクでの山道ツーリングの供のジュースKF4といい、それぞれのシチュエーションにベストマッチの数々のマルチツールを提供してくれるレザーマンの益々の発展を願って止みません。

 

他にも何かと便利なスクォートE4です。

E4に付属のピンセットに大きな有り難味を感じる時があります。プロの使うピンセットは一般的には専用性が高く、通常は用途に応じて何本も用意しているものですが、それでも緊急時にはピンセットがあるのと無いのでは大きく違います。

ヤスリもシャシのバリ取りなんかからアンテナの微調整にまで使います。 これもツールといえばツールの指の爪先を整えるのにも使うことがあります。私のE4のヤスリの先端は鈍角のV型に研いであって、ケガいたり削ったり剥がしたりの用途に使えるようにしてあります。これで1機能追加ですね。

そんな風にちょっと手を加えたりナイフを研いだりする度に愛着が増す小さくて可愛いツールです。これからもいつも側にいて何かにつけて活躍してくれることでしょう。

 

 

 

 


(Vol.7 おしまい)