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モニターレポート

  1. FREE T4使用レポート【フォトライター 秋葉実】

FREE T4使用レポート【フォトライター 秋葉実】

毎日をともに過ごしたいカジュアルなポケットツール

プライヤーをメインとしたマルチツールに比べて軽量コンパクトな「FREE T4」。
手のひらにすっぽりと収まるサイズで扱いやすく、日常的に活躍すると評判だ。
そこで「FREE T4」と一緒に生活し、さまざまなシーンで実際に使ってみた。

全方向からチェック

まずは収納時の状態から見ていこう。サイズは全長が9.3cmと余裕のポケットサイズ。ボディのステンレススチールに施されたエンボス加工により、手触りが心地いい。

こちらは裏面。クリップを搭載しており、ポケットの入り口に引っ掛けることで取り出しやすくなる。重量はたったの122gだ。

正規代理店『LEATHERMAN TOOL JAPAN』の[LTJマーク]が確認できる。この刻印があれば同社の保証(期間はなんと25年!)を受けることができる。失くしてしまいがちな保証書などは必要ない。

側面を見てみよう。ガラス繊維樹脂が採用されており、軽量化に一役買っている。

もう一方の側面を。ツールによってプレートの厚さが違うことがわかる。ぴったりと隙間なく組み上げられた可動部に、機能美を感じる。

すべてのツールを見てみよう

こちらは全ツールを引き出した状態。厳選されたベーシックなツールを搭載しており、日常的な使用には充分な機能を搭載している。手前のピンセットも、もちろんツールのひとつだ。

小型マルチツールの常として、装備ツールも小型化を余儀なくされ、強度面が犠牲になる場合が多い。しかし「FREE Tシリーズ」の装備ツールは、ヘビーデューティー仕様の「FREE Pシリーズ」と共通部品で構成されている(ナイフ以外)。小型マルチツールにありがちな華奢さとは無縁だ。

それではすべてのツールを、ひとつずつ見ていこう。

[420HC直刃ナイフ]
刃渡りは5.6cm。板厚2.7mmで両刃のナイフは、このサイズのマルチツールにしては本格的だ。本体との結合部にガタつきや遊びはまったくなく、パーツの加工と組み立てにおける、精度の高さがうかがえる。

ちなみにナイフだけは本体から少々はみ出した状態で収納される。これはサイズ的に収納しきれなかったわけではなく、敢えて施された仕様。目視しなくても、指の感触だけでナイフの収納位置がわかるというわけだ。

ナイフとピンセット以外のツールは、親指で根本を押し出して取り出す。「WAVE+」をはじめとする従来モデルの取り出し方法とは、一線を画するスタイルだ。指先に負担がかからず、目的のツールにたどり着くまでのタイムも速い。

[ハサミ]
日常使用で頻繁に活躍しそうなツールNo.1。バネが効いていて、刃を閉じても自動で戻る仕組みで使いやすい。もちろん切れ味も申し分なし。

[キリ(米国仕様)]
[マイナスドライバー(XS)]
日本人が持つキリのイメージとはちょっと違うかもしれないが、皮や布など柔らかい材料に大きめの穴を空ける際に、ねじ込み、回転させて使用する。単に米国仕様のキリ形状にカットされているだけでなく、しっかりと片刃が付けられている。

先端は極小のマイナスドライバーとして使用可能。

[プラスドライバー]
[栓抜き]
自宅のドライバーが今、どこにあるのかイメージしてほしい。それを取りに行く必要なく、ふと気づいたネジの緩みを締め直すことができる。分厚いプレートの先端に搭載されており、強度は充分。

下部は栓抜きになっており、栓抜きが見つからない、そもそも持っていない場合に救世主となるだろう。

[パッケージオープナー]
[マイナスドライバー(M)]
[てこ]
シンプルに見えて一台三役の優秀ツール。ダンボールを開封するときや商品パッケージのビニールを破るときなど、カッターを使うよりも手軽で便利だ。先端はマイナスドライバーとして使えるほか、固いフタなどをこじ開ける際のプライバーとしても役に立つ。

[木工/金属用ヤスリ]
[マイナスドライバー(S)]
「FREE T4」はポケットツールながら両面がヤスリのプレートまで搭載している。こちらは木工用の面。ナイフとのコンビネーションにより、木材での工作をするときに活躍するだろう。

先端は小さめのマイナスドライバーとして使用できる。

裏側は金属用。日常的にそんなに使わないような気もするが、アルミ製のキャンプ用品を購入した際、まれにバリ取りをする必要がある。備えあれば憂いなしのツールだ。

[ピンセット]
ガラス繊維樹脂のボディに、潜り込むように収納されている[ピンセット]。最初はどこにあるのかわからなくて探してしまったが、ナイフ側の端にさりげなく配置されている。

指先でスライドさせて取り出す。爪を引っ掛けやすいように、根元部分の形状が工夫されている。

指で摘みにくいほど小さなもの、皮脂を付着させたくないものを持つときに重宝するだろう。

本体にはクリップが取り付けられている。こちらはツールではないが、本体の携帯性を向上させる意味で見逃せない機能だ。

ツールの収納方法は?

写真中央の「一」のようなパーツはロック機構。「FREE T4」は安全に使用できるよう、ツールを取り出すと必ずロックが働く構造になっている。作業中、ひとりでにツールが戻ってしまうことを防ぐというわけだ。

収納時にはロックを解除してやる必要がある。ロックの解除方法は、出ているツールの逆側に「一」を動かすこと。写真ではわかりやすく写るように両手を使っているが、慣れれば片手で一連の流れを行うことができる。

日常的に使ってみた

ここからは実際に「FREE T4」が活躍したシーンを。「テレビのリモコン並みに手元に置いておく」「ちょっと庭に出るときにポケットに入れておく」……そんな距離感で1ヶ月ほど過ごし、特に便利だと感じた使用場面をご紹介する。

まずは家庭菜園。ミニトマトを誘引する際、麻ひもをカットするのに[ハサミ]が活躍してくれた。園芸用の大ぶりなハサミと違って、使い終わったらポケットに戻せばいいし、再び使う場面が訪れたらポケットから取り出すだけ。

麻ひもだけでなく、肥料のビニール袋を開封するときや不織布をカットするときなど、家庭菜園では何かと[ハサミ]が便利だった。

ぴょんと飛び出た芝生のランナー。特に害はないが、決して見栄えはよくない。「FREE T4」がポケットにあれば、視界に入ったときに[ハサミ]ですぐさまカット。刃渡りは小さいが切れ味は鋭く、芝生のランナー程度ではまったく苦にならない。

芝生に限らず、「庭で切りたいものが見つかる→ハサミを取りに行く→戻ってきて切る」という工程を大幅にショートカットできるのは大きい。もしも[ハサミ]で手に負えないブツに当たったときは、[直刃ナイフ]の出番だ。

またしても[ハサミ]のシーン。これまでは購入した商品のタグを切り離すとき、いちいち文房具の入った家具の引き出しを開ける必要があったが、「FREE T4」を手元に置くようになってストレスフリーに。

また旅先で着替えの衣類を購入したときなど、ビニールのタグ紐には本当に苦しめられる。「FREE T4」は旅行にも持っていきたい。

[ハサミ]に次いで使用頻度が高く、便利だと感じたのが[パッケージオープナー]。筆者は通販で買物をすることが多く、自然、ダンボールを開封する機会も多い。

[パッケージオープナー]には「指先が切れるほどではないが梱包テープを切るには充分」という絶妙な切れ味の片刃が付いていて、開封作業は安全快適。カッターに比べて中の商品を傷つけるリスクも低い。

[パッケージオープナー]のツールは、[てこ]の機能も有している。固い缶のフタも、文字通りテコの原理でラクラク。

台所で缶のフタを開けられない状況に陥った場合、これまでは工具箱から何か使えそうな道具を持ってくる必要があった。しかし「FREE T4」のある生活なら、ベーシックな工具はポケットの中にある。

家具や建具など、ふとネジの緩みに気づくことは多いが、部屋の位置によってはドライバーを取りに行くのが億劫。しかしポケットから「FREE T4」を、そしてその本体から[プラスドライバー]を取り出すことで、気軽にネジを締め直せる。

ドアノブのネジは開閉の衝撃で緩みやすいので、通りかかったついでに締め直してあげたい。

たとえ電動の鉛筆削りが壊れても、[420HC直刃ナイフ]があれば安心。バツグンの切れ味でサクサクと気持ちよく鉛筆や色鉛筆を削ることができる。小学校ではシャープペンシルの使用が認められないことが多いので、子どものいる家庭では、鉛筆を削る手段を複数持っておきたい。

ちなみに『LEATHERMAN TOOL JAPAN』の25年保証は、ナイフの切れ味も含まれる。切れ具合が悪くなってきたと感じたら、往復送料の負担のみで、再び秀逸な切れ味を取り戻すことができる。

[420HC直刃ナイフ]は木工工作にも適している。5.6cmという手頃な刃渡りは扱いやすく、危険も少ない。

また何らかの事情で作業を中断するときも、瞬時に折りたたんでその場を離れることができる。誰かが誤ってブレードを触ってしまうという事態を避けられるというわけだ。

[木工/金属用ヤスリ]の木工サイドで角をなめらかに。

面積が狭いので、それほど役には立たないだろうと予想したヤスリ機能だが、削る対象によってはかえって好都合だった。狭いスペースにも入っていけるし、ストロークが短いので作業が丁寧になる。軽くて扱いやすいのも助かった。

手に届く場所にT4を

日常生活のちょっとした瞬間に、気の利いた便利さを感じさせてくれる「FREE T4」。リビングのテーブルなど、常に身近に置いておきたいマルチツールだ。当記事では日常生活での使用に重点を置いたが、もちろんキャンプなどのアウトドアでも活躍する。

軽量でコンパクト、そしてツールを取り出しやすいことから、手の小さな女性や初めてマルチツールを使う人に最適。すでにマルチツールを愛用しているユーザーには、より気軽に使えるセカンド機としてオススメしたい。大切な人へのギフトとしても、喜ばれる製品ではないだろうか。

フォトライター 秋葉実