モニターレポート

  1. カヤックフィッシングとLEATHERMAN

カヤックフィッシングとLEATHERMAN

アウトドアの中でも釣りを趣味としている人は多いことでしょう。
一言で釣りといっても、魚種やスタイルによってその種類は多種多様です。

そんな中でも、最近の流行りの傾向にあるカヤックフィッシングやサップ(SUP=スタンドアップパドルボード)フィッシィングと呼ばれるジャンルに特化したレビューをご案内します。
カヤックフィッシングは文字通り、カヤックを使った釣り。
サップフィッシングとはサーフボードの様な板に乗って釣りをするスタイルを指し、最近とくに流行っていますね。
いずれも洋上に木の葉の様に浮いて釣りをする訳ですが、乗り合い船やプレジャーボートと違い、船上のスペースはとても限られています。
また、非常に船が不安定な事から、船上では常にバランスを保ったまま全ての作業をしなければならなく、体の動きも制限されてしまいます。
そんなデメリットを抱えるカヤックフィッシングやサップフィッシングですので、転覆という事態は常に頭に入れておかねばなりません。
船の艤装や装備、服装に至っても全て安全を最優先する必要があり、転覆した後の再乗艇までも想定して準備する必要があります。
そこで重要となるのが、各装備をコンパクトに集約することと、肌身離さずライフジャケットに装着できるなどの汎用性の高いツールが大変有効となってきます。

この度、カヤックフィッシィングにおける安全装備と+αの位置付けでセレクトしたのがSKELETOOLになります。
具体的には、緊急時のロープの切断にナイフの機能。
フックを外したり船上での釣り具のメンテナンスにプライヤー、カヤックの艤装に使用しているボルトの増し締めにドライバーの機能。
これらを使用用途に応じた機能がSKELETOOLには備わっており、3つのツール機能を1つに集約できる訳です。
また、+αとしているのが、釣りにおける専用ツールの代替えを狙っての事です。
釣りのジャンルではとにかく専用ツールが多いのが特徴で、それを買い揃えることに魅力を覚える方も多いかと思います。
ただ、カヤックフィッシィングにおいて、それらを持ち込んで限られたスペースを独占することは避けたい、、、
そんな観点からもマルチに使えるツールの出番になる訳です。

さて、実際にSKELETOOLを使用してみたレビューをご案内します。

まず、見た目ですが、カッコイイの一言!
肉抜きの穴加工や、カーブラインは男心をくすぐる事でしょう。
持った質感も、金属なのにしっとりとした感じがあり、裸のままポケットに入れておいても角が当たって痛む事もなかったです。
レビューをさせてもらっているSKELETOOLのシルバーには専用のホルスターがあるので、カラビナ、クリップ、そしてそのホルスターと取り付け方法が多いのも特徴です。

実際には、ライフジャケットのナイフホルスターマウントにクリップで引っ掛ける様に装着させ、その上からベルトで固定しています。
そうすると上方向に引き抜くだけで取り外しが可能になり、常に肌身離さずに持ち歩くことができます。
転覆した際にも慌てることなくツールを取り出せることでしょう。

折り畳まれた状態から簡単なアクションで各ツールを引き出せるシンプルな機能もとても便利です。
特にナイフを取り出す動作が1アクションで完了するのがいいですね。
また、グローブをしていても、持ちやすく取り出しやすい所が気に入ってます。
実際に艤装しているロープを切ってみましたが、切れ味も鋭く、刃渡りも十分な長さがあります。
水に接するのでナイロン素材の直径6㎜ですが、ロープを上手に持って切れば一太刀で切断できました。
刃の付け根部分は波刃になっているので、ゴリゴリとノコギリの様に繰り返し切る事もできるので、もっと太いロープでも簡単に切る事ができます。

もちろん、細い釣り糸も難なく切ることが出来ます。
最近では、PEラインを使って釣りをする方が多くなったのではないでしょうか。
ナイロンやフロロカーボン素材と違って、複数のポリエチレンの糸を編み込んで作っているPEラインの切断には、特に切れ味の良い刃物が必要になります。
専用のカッターが市場にお目見えするほど、ちょっとだけ切る事となれば厄介なライン。
これも一工夫でスパッと切れます。
Vの字の様にラインを折って、刃の付け根部分の波刃を使って、引くようにスライドさせると綺麗に切れます。
少しラインを引っ張って、テンションを掛けてあげる様にするとスムーズに切れるコツになります。
PEの結束では締め込む作業があるので、捨てる部分が長くなってしまいますが、それを逆手に取った一工夫。
捨てる部分が短くなったら、刃先近くの細い部分で切ると細かな作業も可能となります。

その他にも、切れ味がいいので釣った魚の下処理などの船上作業もスピーディーに出来るので便利です。
力任せの作業であっても、刃が不意に動かない様にロック機能もしっかりとしていますので安心ですね。

多くのカヤック愛好家の装備をみていますと、フローティングジャケットにナイフを装備しています。
これは転覆時に擬装に使っているロープが、足や体に絡まり危険な状況からロープを切断して離脱する目的があります。
特に釣り目的でカヤックを使用する場合は、アンカーの類を船体と繋いでいるロープがトラブルの原因になることが多いので、有事の際には速やかにナイフを取り出し、切断することが要求されます。
その点では、ナイフの刃を引き出す手間はあるものの、簡単な操作と十分な切れ味で安全装備として任せれると考えます。

そして、プライヤー機能ですが、とても精巧な作りになっていて、プライヤーのくわえ部の先端までしっかりと閉まる様になっています。
ガタつきもなく大変滑らかに動きます。
釣れた魚の口からフックを外す際に使用しましたが、専用のプライヤーと何ら違いもなく使うことが出来ました。
くわえ部の内側には細かな溝の加工が施されているので、対象物をしっかりと掴んでくれます。
曲がったフックの修正などに最適だと思います。
ただ、全閉で持つと少しグリップの開きが大きいので、手の小さな方には力が入れにくいかもしれません。
また、グリップエンドにあたる部分にドライバーのビットの先が出てますので、接触による傷や怪我には注意が必要だと思います。
くわえ部は角までしっかり作られているので、細かな作業でも使い勝手のいい仕上がりだと感じています。

そしてドライバーの機能。
釣りをする方でドライバーを持ち歩いている人は、ほとんどいないと思います。
SKELETOOLのビット式ドライバーでは、予備のビットをグリップ内に収納できるので、合計2種類のビットを携帯することができます。
カヤックの擬装に使用している大きなプラスと、ルアーに使用している小さなプラスに対応するようにビットを選択。
別売ですが交換用のビットキットがありますので、必要になる可能性の高い種類とサイズを予め準備しておくと安心を1つ追加できます。

メンテナンスに関しては、海水で使用する機会が多いので、釣行後には釣具と一緒に真水で丸洗いをします。
その後、ドライヤーで温めて水分を飛ばし、各ツールを広げた状態で1日放置すれば、サビの発生も抑制出来ています。
特に注油する必要は無い様に思います。
ドライヤー時間も2分もあれば十分なので、あまり苦にもならないと思いますが、熱を持たせて水分を蒸発させるので、火傷には注意が必要です。

ここまで使わせてもらって、最初はカヤックフィッシングで・・・と思っていましたが使える幅が広く日頃から持ち歩いているので、他の釣りにも携帯しているほどお気に入りのツールとなっています。
道具も少なく手軽な釣りだと、ロッドを手に持ち、交換用のルアーをポケットに入れてフィッシュグリップとSKELETOOLをベルトループに引っ掛けて出かける・・・そんなスタイルも出来上がりました。

マルチツールは専用ツールには勝てない部分があるのも事実。
ただそれは使い手次第で、専用のものにとって代わる事も可能になります。
持っていてよかったと思える事の多さに驚かされ、多くの気づきすら与えてくれたSKELETOOL。
まさに〝相棒〟と呼んでもいいのではないでしょうか。
これからも末永く、沢山の魚と出会いたいです。

福田勝行 (ふくふく)
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レポート対象ツール: SKELETOOL スケルツール