モニターレポート

  1. 自然環境調査で2 CRUNCHの出番

自然環境調査で2 CRUNCHの出番

私の職業は自然環境調査です。
今回は、2回目のモニターにレザーマンツールジャパンより CRUNCHを送って頂きましたので、調査用にフィールドに設置しているカメラのメンテナンス作業のために、仕事で愛用している WAVE と共に持ち込みました。

まず、私が考えるフィールドで使用する道具の条件は「多少の無理が利く道具」であることです。
フィールドで使うツールは時として「想定以上の力」をかけてしまったり、「想定外の機能」を必要とするシチュエーションがあります。
マルチツールであるLEATHERMANは、そんなシチュエーションでなくてはならないアイテムの1つです。
CRUNCH もその期待に十分に応えてくれそうです。

手前がWAVE、ヒモの付いている方がCRUNCHです。右がCRUNCHを開いた状態です。

Web カタログでは、ごつい印象を受けた CRUNCH でしたが、WAVE より一回り小さくシンプルな構造になっています。
法律を考慮した5cm程度の波刃ナイフや常時使えるランヤードリングはいつも携帯するには重宝しています。

【CRUNCH「ロッキングプライヤー」とは 】

CRUNCH は、LEATHERMANで唯一ロッキングプライヤーを装備したモデルです。
ロッキングプライヤーの名前は知っていましたが、本格的に使用したのはこのモデルが初めてでした。
俗に万能ツールと言われる工具がありますが、 ロッキングプライヤーはまさに「使える万能機能」であると言えます。
WAVE を始めとしたプライヤーを使ってモノを回す際は、モノを握る力と回す力が必要になります。
これに対してロッキングプライヤーは、 モノをテコの原理で固定するため(ここで固定する)、必要なのは「回す力」のみとなります。
理屈では判っていましたが使ってみると確かに回す力が逃げません。
また、ボルト類を回す際に使用するモンキーレンチと比較すると、CRUNCH は懐が深いためボルト類を回している時に外れることがありません。

【WAVEとのコンビ作業】

CRUNCH と WAVE は、 メインパーツであるプライヤーの機能が異なるため、プライヤーを2つ使う作業では大変重宝します。

カメラケーブルの交換の際は、2つのペンチを使用することになります。
CRUNCHでケーブルの押さえたい場所をロックし、WAVE で回します。
WAVE 2本での作業も可能ですが、CRUNCHのハンドルを動かないようにどこかに当てておけば、WAVE を回すだけで簡単に先端部品を外すことが可能です。

また、カメラの角度を固定する際も、CRUNCHを使います。
最初にロックすることが出きるため、必要以上に力をかけることなく、微妙な角度での固定ができます。
前回WAVEで行っていたケーブルの固定に使う番線の締め上げにCRUNCHを使ってみましたが、細い隙間の作業となれば WAVEの出番となりそうです。

【 LEATHERMAN の可能性を広げるビットキット 】

CRUNCH の調整ネジを抜き取ると、1/4インチの六角ビットが使用可能となります。
ネジ穴には先端パーツを差し込んだときのロック機能が隠れています。
この辺りにLEATHERMANのモノ作りの姿勢を感じます。
市販の六角ビットが使えるので、先端パーツのセットを持っていれば 「六角レンチのサイズが合わない !!」と慌てることもありません。

そんな先端パーツセットを探していたところ、LEATHERMANから 「ビットキット」 が出ていましたね。
ビットの厚みはわずか3mm。
プラスドライバーから、六角レンチ(インチ規格とセンチ規格があります)、滅多に使うことのないトルクスやスクエアビットまでの充実ぶりには参りました。

もちろん、WAVE にも取り付け可能です。
CRUNCHではネジ穴の構造上から、六角レンチ(5mm 以上)の大きさのビットが奥まで入らないという欠点がありますが、欠点を補うに十分な機能があるので、この点は目をつぶりましょう。

最後に。
WAVEの使用用途も多くありますが、CRUNCHの「ロッキングプライヤー」の特性を生かした使い方をあれこれ考えました。

頭をなめた小サイズネジにかませて回すことができる。
小型のバイス(万力)代わりとして使用できる。
ノコギリ刃等の応急ハンドルとして使用できる。
火にかけた熱いシェラカップ等の鍋つかみとして使用できる。高価な鍋つかみですが実用性は高いです。

まだまだ、使用回数が少ない CRUNCH ですが、 WAVE と共に「木の上」で、「雪の中」で活躍が期待されます。