モニターレポート

  1. ツールの比較レポート No.2

ツールの比較レポート No.2

スーパーツール300が到着しての正直な感想は、「なんだこれは? !」とかなり衝撃的でした。
確かにこれはスーパー(サイズ)だ。
どうやら私は勘違いをしていたらしい。

モデル選定時の紹介文には、確かに「少しデカイです」と書かれていましたが、私は勝手にこの「デカイ」は重いということだと理解した。
150gのPSTに比べれば確かに重い。
しかし、文鎮と揶揄されるV社のマルチプライヤーと比べればまだ軽い。
しかし到着したのは正しく「デカイ」スーパーなツールだった。
愛用の PST と比べて飛びぬけて大きいというのではない。
並べてみると分かるがたたんだ状態ではせいぜい1cm程度の差しかない。
この抜群の存在感はいったい何処からきているのかとほぼ同程度のV社製ツールと比べてみる。

Super Tool

PST

全長全幅共に大差ない。
違うのは厚み。
文鎮と渾名されるV社の物よりさらに分厚い。
カタログ上でも実測値でもV社の方が重いのだがその差は微々たるもの。
むしろたたんだ状態で全てのパーツが内側に収納され、 塊感をもつスーパーツールの方が重く感じる。
そして、この塊感が抜群の存在感を醸し出してるのだろう。
紹介文の「デカイ」は間違いなく正しい、付け加えるなら「まるで文鎮のようです」となるだろう。
さて、デカイ、デカイとばかり言っていても仕方がないので、説明書を片手に細部を見ていく。
まっさらの新品なので各部の動きはまだギコチナイ。
20年選手のPSTと比べるのもあんまりな気がするが取りあえずしばらく両手での操作を要求されそうだ。
収納されているパーツの種類は私にとっては必要十分なもの。
一つ一つのパーツを見ていくと進化したなと思うものと、 少し首を傾げたくなるものがある。
たとえば缶切り、なぜかPSTより薄くなっている。
初期の頃のPSTを知っている方はご存知だろうが、当時のPSTの缶切りは欠陥を抱えており、折れることがあった。
それでコッソリ改良し根元部分の幅を広くした。
だからPSTの缶切りは先まで分厚く不格好だ。
しかし、それで折れなければ良いじゃないかと思う。
なのにスーパーツールでは、再び薄く(根元の部分は大丈夫だが)なっているのはなぜだろう。
切れ味を優先した結果なのか?
この曲がりそうな先っぽは精神的によくない。

また、鑢(ヤスリ)については、幅の広い両面については焼の入ったモーターシャフトも削れるくらいで問題ないが、側面の目立てについては不満だ。
V社の鑢に比べて残念ながら側面のヤスリ目はそれほど良くない。
考え方の違いだろうが鑢の側面はあまり目が立っていない。
ここの目がしっかりしていると金鋸の代わりが出来るのに残念だ。
幾つか気になることはあるがそれでも全体として見ればそれは些細なことかもしれない。
大切なのは能書きではなく、実際にどうなのかということで使えば分かる。
まず間違いなく評価できるのは PST にはない鋸(ノコギリ)、ウェーブエッジ。
避難所でボランティアをしているといろんなことを頼まれる。
中には棚を作ってくれとか、給水車の所に行くための台車を何とか使いやすくしてくれというものもある。
それ専用の道具と比べれば効率は落ちるが無いよりは遥かにマシ。
ウェーブエッジも高く評価できる。
強化されたプライヤーも頼もしい限りだし、グローブをはめていても簡単に解除できるロックも評価したいがやはり苦言を一言。
ドライバーの類は90度の位置でもロックできるとありがたい。
本来の使い方ではないだろうが大きな力をかける時に鍵爪状にして使う。
その時も不意にたたまれないようにしてあると嬉しいのだが。
実際スイス製のツールナイフはマイナスドライバーの大きなものは、90度の位置で一度停止するようになっている。
あちらはスリップジョイントなので同じようにはいかないだろうが、再考の余地はないものだろうか。
私の様に安心して力をかけて、その結果ドライバーを曲げてしまう人間が出るかもしれないが。

色々とブツブツ言ってみたが、本当のところはそれほど気にしていない、自分が工夫すれば何とかなることだし、悪い部分も分かっていればそれで良いから。
ということで次回はPSTと比較しながらテストの結果をレポートします。